WordPressで副業するときに知らなきゃ損する3つのこと

最近SNSを見ていると、これから副業を始めようとしている人のなかでもWordpressを使いこなして収入アップを目指そうと考えている人が多いようですね。

具体的には、主に以下の2つを推奨する風潮が強いなと感じます。

  • WordPressのサイト制作やカスタマイズなど、プログラミングスキルをベースに案件を獲得する
  • WordPressでブログを作ってアフィリエイトやアドセンスで収益を得る

収入を増やすためにWordpressのスキルを身につけるのは良い選択肢です。なぜなら、ブログなどWebサイトのコンテンツを管理するシステムの中でも、世界で最も使われているのがWordpressだからです。

また、パソコンとネット環境さえあれば収入を得られるということからも、最近のような外出もままならない状態でも収入を得られるという意味では魅力的に映るかもしれません。

実は私は以前「Wordpressレスキュー」というサービスを運営し、過去に300件以上Wordpressのトラブルに対応してきました。手前味噌ではありますが、Wordperssの専門家と名乗っても文句は言われないレベルだと自負しています。

そんな私から見ると、プログラミング未経験の人が収入を得ることを目的に、わざわざWordpressを操るスキルをゼロから覚えるというのは、少し安易なのではないかなと考えています。

それどころか、個々人の目的や使える時間・お金に適した選択肢を検討しなければ、コストが余分にかかってしまい遠回りしてしまうケースもあります。

この記事ではこれからWordpressで副業を始めたい方のために、最低限知っておいてもらいたいことを3つご紹介していきます。

WordPressを使って収入を得ようと考えている方は、ぜひ判断材料の1つにしてもらえると嬉しいです。

1.Wordpress案件を初心者が副業で獲得するのは簡単ではないこと

Lancersやクラウドワークス などのクラウドソーシングでは、Wordpressのサイト制作やカスタマイズの案件が数多く募集されていることがわかります。

記事を書いている今日の時点でも、LancersでWordpress関連の案件は10,000件以上も募集されていることがわかりますね。

出典:Lancers
https://www.lancers.jp/

ただし、こうした案件をプログラミング初心者が獲得するのは不可能ではありませんが、案件を獲得するまでに2つの「壁」が存在します。

1-1.知識・スキル習得の壁

案件に対応できるレベルの知識・スキルを得るためには、相応の金銭的コスト・時間的コストは覚悟しておく必要があります。

今ではプログラミングスキルを手堅く身につけられるスクールは数多く存在します。書籍やオンラインの学習サービスを活用して独学で勉強することも不可能ではありません。

前者は安くても数十万円の費用がかかりますし、フルタイムで働いている方でしたら少なくとも3~4ヶ月は学習期間として見ておいたほうがいいです。実際に、プログラミングスクールのtechacademyのWordpressコースは、8週間~16週間の学習コースを選択することができます。

引用:https://techacademy.jp/wordpress-bootcamp

「手元に資金はないけど熱意は誰にも負けないから独学でやるぞ」という方もいるかもしれませんが、未経験者が独学で学ぶ場合、学習時間はもちろん、精神的な負担はかなりのものになると思います。

ここまでは多くの方がご存じのことかと思いますが、プログラミング未経験の方が見逃していることがあります。それはエンジニアとして価値を提供するためには、HTMLやCSSなどのプログラミングスキルだけではなく、サイト制作の全体像から理解する必要があるということです。

1つのサイトができるまでには「企画」→「設計」→「制作」といった段階を踏みます。

例えば、注文住宅を建てる時、「どんな間取りにするか?」「何階建てにするか?」「どんな設備が必要か?」などなど、顧客の要望を聞いたうえで設計作業をしてから施工(組み立て)作業に入りますよね。

引用:Webサイト制作のElectlic Fruits-サイト制作の流れ
https://www.electric-fruits.com/production/flow/

Webサイトも同様に、目的やコンセプトを決めてから、必要な要素を割り出して設計していきます。プログラミングはあくまでもアイデアを形にする作業で、住宅の建設に例えると施工作業です。

そのためプログラミングスキルを活かして収入を得ようと考えても、こうした全体像を理解しないまま、HTMLやCSSだけ学ぶようなことはおすすめしません。コードの書き方だけ理解していても、業務を進めていくうえで発注者と円滑にコミュニケーションを取れない可能性が高いからです。

プログラミングスクールではこのあたりもフォローしてくれると思いますが、独学で学ばれようとしている人は見逃しがちなポイントです。

1-2.案件獲得の壁

お金と時間の投資をして、案件に対応できる知識・スキルを得たあなたは、ここから案件を獲得するための競争に参加することになります。

どの程度の競争なのかピンとこない方もいると思いますので、Lancersで個々の案件をもう少し詳しく見てみます。Wordpressカスタマイズやサイト制作の案件を見てみると、1つの案件に対して多いものでは70件以上も応募が集まっていることが分かります。

出典:Lancers
https://www.lancers.jp/

すべての案件にここまでの量の応募が集まるわけではありませんが、報酬が高かったり、条件の良い案件にはこれくらいのボリュームの応募が集まり、案件を獲得するための競争は楽では無いということです。ましてや副業で案件に取り組むにも競争相手はプロのエンジニアですからね。

プログラミングをあなたよりも先に学んでいる人は多くいますし、2020年から小学校でプログラミングが必修化されたことを考えると、近い将来もプログラミング学習者=競合エンジニアがかなり増えることが予想されます。

プログラミングは、「手に職をつけられて安泰」のようなイメージがあるかもしれませんが、収入を手にするまでには、強者のエンジニアたちとの熾烈な競争は避けて通れない状況にあるということは頭の片隅に置いておいてください。

2.Wordpressでブログを書いて稼ぐのは簡単ではないこと

プログラミング以外にも、Wordpressでブログを作って副業でアフィリエイトやアドセンス報酬を得ようと考えている方もいますよね。

こちらはドメインとサーバーさえ契約すれば始められるので、先に紹介したプログラミングほど初期コストはかかりません。

  • ドメイン代:100円前後/月
  • サーバー代:1,000円前後/月

ただ、初報酬を得るまでの道のりはもしかするとプログラミング習得よりも険しいです。

検索エンジンやSNSから集客する方法という知識がある前提で、少なくとも半年以上は、知恵を絞って読者に有益な気付きを与えられる記事を書き続ける必要があるからです。

報酬が発生しない状況で半年以上記事を書き続けるのは、どうしても世間に訴えたいことがあったり、書くこと自体が好きなど、お金以外のモチベーションがないと挫折する確率が高いと思います。

血の滲むような努力をしたトップ数%のブロガー・アフィリエイターが結果を出し、その足元には幾多もの失敗作のブログが屍のように横たわっているという世界です。Googleのアルゴリズムのアップデートがあれば、発生しはじめた収益もゼロになるリスクもはらんでいて先行きは不透明と言わざるを得ません。

月に数万円の収入アップが目的なら、Wordpressブログ構築にこだわらずにどこかでアルバイトした方が収入を上乗せできる確率は高いのではないかと思います。

3.Wordpressで副業するならマッチングサービス構築という手段もあること

多くの人には知られていませんが、Wordpressを活用してマッチングサービスを作ることができます。

マッチングサービスというとピンとこない方もいるかもしれませんが、簡単にいうと需要と供給の橋渡しをするサービスで、具体的には以下のようなサービスなら聞いたことや使ったことがあるのではないでしょうか。

  • UbereEATS:街中の飲食店と自宅で食事したい消費者をマッチング
  • Mercari:不用品を処分したい人と手頃な価格で購入したい人をマッチング
  • Lancers:案件発注者とスキル提供者をマッチング

ここまで有名サービスとなるとユーザー数は数十万、数百万単位になるため、独自にシステムを構築する必要がありますが、スタートアップのマッチングサービスであれば、Wordpressのプラグインを使ってサービスのリリースまで十分に対応可能です。

しかもプログラミングスキルはほとんど不要で、一般的なプログラミングスクールと比べれば費用を抑えてスタートできますし、外部の案件を受注し続けるフリーランス的な働き方ではなく、自分のビジネスを持てるということは大きなメリットだと思います。

ただ、アルバイトではなくビジネスになるので、確実に売上が発生するということは言い切れません。どうしても目先のお金を確実に稼ぎたいという人にとってはデメリットに感じるかもしれませんね。

副収入を得るために「こういう選択肢もあるんだ」程度に覚えておいていただければと思います。

この記事の内容を参考にしていただき、Wordpressで副業をしたい方にとって自分が何をすべきか再考するきっかけになれば幸いです。